僕らは燃料を作りながら走っているのだが、実は一日に精製できる燃料というのは40リットルほど。燃費走行を守れれば、それで約340km進むことができる。ところが、アメリカの中央部は人口密度が少なく、となりの町まで500km離れているなんてことはよくある。交流会の会場の準備やビザの関係で滞在期間が限られ急がねばならないなど、作り置きはままならない。そんな訳でいつも燃料不足に悩む。
果たしてバイオディーゼル燃料のことを理解し廃油を分けてくれる人がいるのか、正直言ってこれも心配だった。しかし、行く先々のどの州にも、バイオディーゼルを作っている人々がいた。米原住民のナバホの地で、「コロラドのバイオディーゼルの会社で働いたことがある」なんて青年にも出会った。アメリカでは、バイオディーゼル燃料に対する関心が確実に広がっているようだ。 |
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今回、アメリカ東部ボルチモアからバスコファイブをリスボンまでの輸送中、バイオディーゼルのコンセプトを知って、ポルトガルの船会社が車両の受取りをすべてサポートしてくれることになった。さらに、クリナップ(株)が提携してオーガニックワインの輸入販売しているマヴィ(株)からも、南欧でオーガニックワイン生産農家など、立ち寄れる農家を紹介していただけるという申し出があり、幸先の良いヨーロッパ大陸のスタートが切れそうだ。 |
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ところで僕は、バイオディーゼル燃料で走るという大前提の他に、いくつかやりたいと思っていたことがあった。それは例えば、廃材やソーラーパワーを利用した家など新しいエネルギーシステムを取り入れた建築物をもっと見て歩くこと。砂漠地帯に入り注目していたのは、太陽熱や風力による発電の利用法である。 |
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カリフォルニアの東部パームスプリングスの近くに、大量のウインドミル(風車群)があった。「風の農場(ウィンド・ファーム)」と呼ばれ、何千基もの白い風車がなだらかな薄茶色の丘に立ち並んでいる。僕はSF映画か何かの世界に足を踏み入れたような錯覚を抱いた。カリフォルニアは、全州の中でもいち早く風車による発電に着手し、1980年代から少しずつ開発してきたそうだ。このファームで作られた電気は、ロサンゼルスなどカリフォルニア南部の都市に送られているという。ニューメキシコ州のタオスでは、「アースシップ」という一風変わった建物を作る団体を訪ねた。パッシブソーラー(パネルを使わずに、日光を最大限に生かすように建物を設計し、「受身」で太陽熱を利用すること)と、エコ材もしくは廃材を使って建てられ、燃料はほぼ自給自足。 |
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世の中にはとてつもないことを考え工夫して、実践している人がいるものだ。でも、巨大な風車の群れにしても、半地下のカラフルな土の船(アースシップ)にしても、その発想には遊び心がうかがえる。もちろん環境問題というのは深刻かつ切迫した問題なのだけれど、どうせなら楽しく夢をみながら取り組みたいものだ。またこれから、どのような人々に出会えるかも楽しみでです。 |
※次回は南欧からの話をお伝えしたいと考えています。 |
(続く) |