「お赤飯をご馳走するから、うちへ食べに来ませんか?」 そう連絡を受けて、スキップしながら宮崎先生宅を訪問すると、テーブルの上には大きなお櫃に入ったほかほかの赤飯と、きれいに盛り付けられた煮しめ、そして細いのにゴツゴツしたとうもろこしが並んでいた。どれも北海道で購入してきた食材だという。
ひょろっと細長いのに、大粒でゴツゴツした見た目からして、野性味あふれるとうもろこし。味のほうは、“THE穀物”といった感じで、甘いとうもろこしに慣れた私には「これがとうもろこし? 味はあまりしないな」という印象だった。お年寄りにとっては非常に懐かしい味のようで、「これじゃないと、とうもろこしを食べた気がしない」と言う人もいるらしいが、一般には流通はしていないから昔を知らない世代には珍しいだろう。 流通していない理由は、生産量が非常に少ないうえ、日持ちしないため。それなのに、どうして東京の宮崎先生宅で食べられたかというと、買ってきてからすぐに茹でて冷凍保存していたからだ。生産者から直接聞いた保存方法のおかげで、私の口までやって来た八列とうもろこし。地元の人に話を聞くことで、旅先で出会った珍しい食材もさらに身近になるというわけだ。
一緒に見せてもらった上下がとんがったかぼちゃも、日本に伝わってきた頃の味を伝えているらしい。まさかりを使わないと切れないほど皮が硬いそうで、その名も「まさかりかぼちゃ」。硬すぎる皮ゆえに敬遠され、扱いやすい品種へと座を譲ったようだ。 秋に収穫するかぼちゃは、丸のまま保存するなら中身が熟す2カ月後くらいが食べ頃で、皮の硬いまさかりかぼちゃは3カ月後あたりが食べ頃になるという。かぼちゃがそれほど長く保存できることを知ったのは勉強になったが、まだ食べ頃ではないために、今回は残念ながらお相伴にはあずかれなかった。